ちゃたろう —戦いの記録—

飼っている猫が突然死にかけ、そして救われた話

#26 8/10(木) 面会では元気な様子

ちゃたろうが助かる望みが薄くなっても、まだゼロになったわけではない。

今日は先生から納得いくまで話を聞き、先ずはこの病院を信用する気持ちを取り戻したいと思った。

そして再手術の決心をしようと。

 

先生から呼ばれるのを待っていたところ、先にちゃたろうとの面会となった。

というのも、スタッフさんが大慌てで私のところにやってきて

 

「今、ちょうどご飯を食べているところなんです。よかったら来て下さい」

 

予約していた面会の時間よりもかなり早かったが、ちゃたろうの元気な姿を見せたかったから飛んできてくれたのだろう。

スタッフさんはそのまま飛ぶように病室に戻っていくので、私も飛ぶように追いかけるのだった。

 

――私がちゃたろうの目の前まで到着すると、どうやらもう食べるのは終わってしまったらしい。

食べているシーンを見たかったが、ちゃんと食べてくれたのなら何よりだった。

 

 

 

ちゃたろうを見て先ず思ったのは、再びエリザベスカラーが装着されていたことだ。

手術前はヨダレが垂れっぱなしだったので装着していたが、手術後はしていなかった。

 

再びヨダレが増えてきたのかと嫌な予感はしたものの、今回の装着は理由が違うようだ。

活動性が出てきたから装着したとのことだ。

どうやら毛繕いをするようになってきているらしく、それを防止するために装着したのだという。

 

昨日は先生から悪化して再手術が必要になるかもしれないとの連絡を受けた。

かなり悪い状態を想像して来たのだが、ご飯は食べているし、活動性も出てきている。

そして毛繕いまで……

覚悟していた状況とはかなり異なり、元気な姿と良い話に癒やされてしまった。

 

スタッフさんにちゃたろうの状態を尋ねたところ「よく分からない」とのことだ。

昨日までぐったりしていたかと思えば、今日になって元気になっていたりと、何がなんだか分からないらしい。

やれやれ、こんな時まで気分屋のようだ。

 

私が見た感じのちゃたろうの状態としては、ヨダレは少しだけ出ていた。

しかし顔つきは凜々しい感じがあった。以前までの弱々しさはない。

 

ちゃたろうは私の顔を確認したときこそ、よく鳴いてくれたものの、数分もしないうちにそっぽを向いてしまった。

機嫌があまりよくないのかもしれないと思い帰ろうとすると、必死に鳴いて訴えかけてくる。

頭を撫でるとまたすぐにそっぽを向いてしまった。

仕方ないので帰ろうとすると、また必死に鳴いてくるというのを何度か繰り返した。

 

なんなんだ……

かまってちゃんモードが発動しているのだろうか?

 

思っていたよりもかなり元気な印象を受け、少し安心するのだった。