ちゃたろう —戦いの記録—

飼っている猫が突然死にかけ、そして救われた話

#24 8/9(水) 絶望

この日の絶望を忘れることはないだろう。

黄疸の数値は更に悪化し、ヨダレも垂れっぱなしの状態に完全に戻ってしまった。

 

TBIL=17.0

PCV=19

 

はっきり言ってしまえば、手術前と変わらない状態に戻ってしまったのだ。

 

原因は、昨日少しだけ触れた「胆管の詰まりと汚れが改善しきれてないのかもしれない」なのだろう。

しかしそれ以上のことは伝えられなかった。あくまでも昨日は、可能性を伝えられただけなのだ。

 

私のなかで疑心暗鬼が芽生え始める。

詰まりとは何だろう?

詰まりの原因であった胆石は除去したのではなかったのか?

汚れも洗浄したのではないか?

落とした汚れが十二指腸まで流れず、その手前で詰まってしまっているのでは?

手術は不完全なものだったのだろうか?

まさか……失敗ということなのでは?

 

一度、ネガティブ思考に火がつくと、どんどん疑いの気持ちが強くなってしまった。

手術を無事に終え、ちゃたろうが元気な姿で帰ってくることを想像してしまったのに、手術前と変わらない状態に戻ってしまっているのだから、自分の悪い癖とはいえ、無理のない話だった。

 

医師からは薬とステロイドの治療を始めたので、これでダメなようなら再手術であることを伝えられた。

 

私はこのタイミングで「再手術」という言葉は聞きたくなかった。

手術を決心するだけでもかなりの決断を要した。

あらゆるピースがそろったからこそ決断でき、踏み切れたと思っている。

 

それなのに、もう一度手術だと言うのだろうか。

それもまだ原因をハッキリと伝えられてないのに。

こんな状態では首を縦に振ることはできないだろう。

少なくとも、納得のいく原因の説明が欲しいし、再手術のリスクも聞きたいところ。

あとは手術内容だ。

 

正直、薬やステロイドで改善するとは思わない

手術前と何ら変わらない状態にまで戻ってしまっているのだから。

この状況を薬だけで脱せられるとは、とてもとても思えないのだ。

 

……絶望以外の何ものでもない。

同じ状態にしたって、手術前と手術後とでは条件が違いすぎる

 

以前なら、手術さえ成功すれば……という希望にすがって頑張ってこれた。

しかし手術後に同じ状態になってしまうと、すがる希望がない

いや、あるにはあるが、薬頼みでは弱すぎるし、再手術はリスクのほうが気になってしまい、明らかに分が悪い。

 

一度、希望を抱いてからの絶望ほどきついものはない。

どうせ奪うのなら最初から希望なんて与えてくれなければいいのに……

 

 

【今日のまとめ】

  • 更に悪化
  • 手術前と変わらない状態に戻ってしまった
  • 再手術の可能性を伝えられる
  • 絶望