ちゃたろう —戦いの記録—

飼っている猫が突然死にかけ、そして救われた話

#16 8/2(水) 遂に正体が判明

ちゃたろうとの面会。

検査後で疲れているにも関わらず、私の顔を見ただけでたくさん反応をしてくれた

ガラスで覆われた完全個室状態にも関わらず、顔だけで飼い主が分かるのだな、と感心してしまった。

 

続いて先生からの説明があった。

輸血とCT検査を実施したことを伝えられた

 

輸血のおかげでPCVは23まで回復

それでもまだ基準値よりは低く、なおかつ自分の力で回復させたわけではないので、日に2%は落ちてしまうだろう。

 

手術でガクッと血が減ることを考えれば、輸血はあと1回必須になるし、時間もそう残されてはいない。

そして輸血の当ては未だない。

 

さて、CT検査の結果だ。

胆管に詰まっているものの正体が遂に判明した

大きな胆石だ。

 

この胆石の周りに胆泥が付着している状態とのこと。

なお、胆石は薬で散らすことは難しく、胆嚢がある限り中からまた胆石が出てくる可能性もある。

そうなればまた同じことの繰り返しだ。

 

よって内科的な処方ではどうすることもできず、外科的処方である手術が必須であることを伝えられた

 

詰まりの原因が胆石であるとを聞いたとき、私は少し安心してしまった。

今までは原因不明だったり、癌だったりと、どうにもできない感じが強かったのだが、胆石という言葉は割とよく聞くし、これならなんとかなるのではないか、と思ったからだ。

 

#11で使用した胆管の詰まりの簡易図を再び掲載しておく。

胆管の詰まりの簡易図

 

担当の先生の予想としては、胆嚢の中にあった胆石が出てきてしまい、それがあまりにも大きかったため詰まってしまったのかもしれないと。

これなら初めてかかりつけ医に入院した時のデータが正常だったことも頷ける。

この胆石が出てきたことで詰まりが発生し、肝臓が悪化してしまったのだろう。

 

あるいは、素人である私の考えを言わせてもらうと、今までも胆石のようなものが蓄積されて、それがくっつくことで徐々に巨大化していった。

まだ完全に塞がるレベルではなかったのだが、運悪く最後の1ピースがはまってしまい、大きな胆石となり完全に塞がってしまった、とか。

 

いずれにせよ、先生が最初に言ってくれた、

「私たち内科の見解を言わせてもらうと、癌じゃない可能性は十分にあると考えています。もし癌だとしたら、かかりつけ医で入院した際のデータと辻褄が合いません。23日のデータを見ると肝臓を含め全てのデータは正常そのものです。腫瘍はいきなり大きくなるものじゃありませんので、もし癌ならこの日のデータは正常なわけないんです。」

 

との見解は的中したことになる。

 

胆石と聞いてやや楽観ムードの私に先生から厳しい一言が入った。

 

「手術内容としては、問題の胆石と胆嚢の除去になるかと思います。しかし胆管はかなりシビアで傷がつくと非常に危険で、最悪そこから漏れ出して命の危険があります。また胆管は代替が効かないのも怖いところです。……もう1つの問題点としては、輸血の猫を確保できない可能性があることです。まだ当てはありません」

 

原因が胆石と聞いたときの楽観ムードは見事に消し飛んでしまった。

思っていたよりも手術自体にリスクがあるもので、なおかつ輸血の問題が常につきまとうのだ。

 

しかし今までの病院側の対応、丁寧な説明、先生の知識の深さ……などなどから、私はこの病院を信用していた。

ここでダメならダメだろう、という気持ちだ。

 

しかし、まだ何かが足りない。

手術を決定する最後の1ピースが足りない

 

そして弱気になるとあの言葉を思い出してしまう。

 

「時には引くことも大事」

 

病院は信用しているものの、不安な部分があまりにも多すぎる。

もしかしたら、ここいらがその引き時ってやつなのかもしれない。

 

先生は私の悩んでいる様子を見て言葉を続けた。

 

「明日なら外科の人間とお話ができると思います。今すぐ決断する必要はありません。納得いくまで手術内容について、外科の人間に聞いてみるのも良いかもしれません」

 

確かに話しを聞くだけ聞いてもいいのではないかと思った。

まだ完全なる決心はつかないものの、駒は進めてみることにしたのだった。

 

 

【今日のまとめ】

  • 輸血とCT検査を実施
  • 胆管の詰まりの正体は大きな胆石
  • この病院を信用しているが、手術となると不安な部分が多すぎて決心できない
  • 外科の先生から手術の説明を聞いてみることに

 

side: ちゃたろう

皆さんお久しぶりなのニャ。

しばらくすぎてもう忘れてしまった人もいるかもしれないけど、ボクが主役なことを忘れてはいけないのニャ。

 

本人も言ってるけど、主人はとにかく慎重過ぎるし、疑り深いし、人をあまり信用しないタイプの人間ニャ。

他人を見たら泥棒と思え、という厄介な性格の持ち主とも言えるニャ(ボクも似たところがあるけどニャ)

 

当初から手術はしないと決めていた主人が、手術の説明を聞くというところまでステップを進めたのは凄いことなのニャ。

この病院を信頼しているからこそニャ。

 

さて、手術の説明へと駒を進めることにはなったものの、依然としてボクの状態は悪いのニャ。

ヨダレは垂れっぱなしだし、舌も出しっぱなしで、見るも無惨な酷い有様ニャ。

 

エリザベスカラーというエリマキトカゲみたいな物を装着しているんだけど、スタッフさんが定期的に回してくれて、ボクの顔がヨダレでびちゃびちゃにならないように気を遣ってくれてるのニャ。

 

……久しぶりに喋ったから疲れてしまったので、ボクはそろそろこの辺でニャ。

 

(ここからちょっとダンディな声色で)

血が減り続けて、刻一刻と迫るタイムリミット。

果たして手術はするのかしないのか、輸血の確保はできるのか。

……そして手術に間に合うのか。

 

乞うご期待ニャ。

 

■おまけ

4/9