ちゃたろう —戦いの記録—

飼っている猫が突然死にかけ、そして救われた話

#14 8/1(火) 手術に踏み切るべきかどうか(前編)

手術できることが分かっても、手術に踏み切っていいものかどうか決心はまだつかなかった。

そもそもの話をすると『ちゃたろうが苦しむようなことはしたくない』というのが、当初からの私のスタンスだった。

 

こちらの病院に入院する際も勿論このルールは守られた。

鼻チューブがどの程度苦痛なのか分からないので、先生に訊いたくらいだ。

ここでかなりきついものだと言われてしまえば、入院しないという選択肢もあったかもしれない。

結果的にはそこまで苦痛じゃないとのことだったから、何の迷いもなく入院となったわけだが。

 

ただ、手術は違う。

明らかに苦しいものだ。

 

ちゃたろうが苦しむようなことはしないというルールはもちろんだが、当初から手術までいくようなら諦めると決めていたことを思い出す。

年齢も14歳と高齢なので、ある意味寿命とも言えるのだから。

この入院についても、日々の治療でなんとかなることを期待している節もあった。

黄疸(TBIL)の数値が日々悪化していくことを考えれば、そんな期待はもう無理なのだが。

 

——担当の先生から電話があった。

先ずは血液型の話だった。

 

そう、ちゃたろうは今まで血液型が不明だったのだ。

かかりつけの動物病院では血液型は不要という方針で、特に検査してなかったからだ。

 

なので輸血するにあたって昨日は血液検査を実施したのだ。

結果はA型だった。

最も多いタイプということで一安心だ。

レアな血液型だと輸血の難易度が更に跳ね上がってしまうので。

 

次は現在最も気にしている2つの数値。

黄疸のTBILと貧血のPCVだ。

 

TBILは23.0で昨日よりはやや改善。

ただ、20を超えている状況では日々の上げ下げで一喜一憂しないほうがいいとのことだ。

PCVは14%と、やはり1日で2%は落ちてしまっている状況が続いてしまっている。

 

反面、良い知らせもあった。

今日、明日で輸血をしてくれる猫の目処が立ちそうだとのこと。

 

明日の14時に担当の先生から説明があるのだが、上手くいけばその時間までに輸血とCT検査を実施できるかもしれないと言うのだ。

 

そろそろ胆管のしこりの正体がほぼ確定できる時期に差し掛かっている

ということは、私のほうでも何かしらの結論を出す準備をしておかなければならない

手術するのか、しないのか

 

……まだどうするか決められない。

原因となっている胆管のしこりを除去できれば、胆汁がスムーズに流れ、現在の黄疸も回復する。理論上はそうなのだろう。

 

しかし現在の日に日に体力が奪われ、貧血まで進行している状態。

ちゃたろうの14歳という年齢、手術のリスクなどを考えると……

「はい、やりましょう」と即決はできなかった。

 

今回の輸血の実施でPCVが20%を超えられれば御の字だと言う。

手術中は当然血が減るわけだから、もう1回輸血が必要になるとのことだ。

そしてその当ては今のところない。

 

手術に踏み切るにしたって、輸血してくれる猫がいなければ終わりだろう。

かと言って、貧血の進行もあるので、輸血してくれる猫を見つけるまで待つのも現実的ではない

 

不安材料があまりにも多すぎる。

手術できる道が開き始めたのは嬉しいのだが、その道があまりにも険しいのだ。

そして一歩踏み間違えれば、即刻死に繋がってしまう。

 

あまりにも選択が難しすぎて、私と家族の考えだけでは到底判断できないと思った。

ここは第三者で知識を持っている人の意見を訊いてみるのも良いかもしれない。

そう、かかりつけ医に相談してみることにしたのだ。

電話でお願いすると快い返事をくれ、その日の夕方に話ができるよう調整してくれたのだった。

 

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