ちゃたろう —戦いの記録—

飼っている猫が突然死にかけ、そして救われた話

#09 7/27(木) 死にかけての退院(後編)

 

家に到着すると、家族総出のお出迎えとなる。

当たり前だが、みんな心配なのだ。

 

特に子供たちには辛い現実だろう。

つい最近までちゃたろうは元気だったし、病院から帰ってくれば元気な姿に戻ると思っていたのだから。

 

ちゃたろうが家に着いてから先ずしたことはトイレなのだが、なんとトイレではなくキャリーバッグでしてしまった。

13年一緒に暮らして、トイレ以外の場所で用を足してしまうのは初めてのことだ。

 

黄疸の症状として、意識朦朧があると伝えられていた。

もしかしたらそのせいなのかもしれない。

もしくはトイレまで間に合わない、あるいは体力的にきついから、手近な場所でしてしまったのか。

 

ちゃたろうは久しぶりの家を懐かしむよう、お気に入りの場所を一通り巡る。

一カ所に落ち着くことなく、とにかく移動し続ける。

 

寝るときはいつも私の布団に来るので、まだ時間は早いが横になってみると、すぐにちゃたろうはやってきた。

いつもよりくっつくように丸まる。

 

ちゃたろうの体を撫でるも、とにかく痩せてしまった。

鳴き声は弱々しく、口からはヨダレが垂れっぱなしだ。

 

更に違和感があるなと思ったら、ゴロゴロ言わないのだ。

今まではすぐにゴロゴロ言ってたのに、全く言わなくなってしまったようだ。


ちゃたろうとこうして横になっていると、嫌な想像ばかりしてしまう。

どんな結果が待ち受けているのか、明日の病院が不安でたまらない。

 

いや、それよりも明日の朝、目を覚ますのが怖い。

ちゃたろうが動かなくなっている可能性が十分にあるのだから。

 

ここで排泄の話をしたい。

食事中の方は気をつけていただきたい。

 

おしっこはとにかく濃かった。

まるでトイレ砂の上で吐いたような感じで、粘着性のある液体が残ってしまっている。

 

うんちは2回ほどした。

入院中は一切しなかったと言うし、そもそも何も食べてないのに不思議だ。

 

こんなときに限って嫌な話を思い出してしまう。

「猫はきれい好きだから、死ぬ前に体の中の汚物を出そうとする」

というのだ。

 

この話といい、お気に入りの場所を巡る姿といい、どうしても嫌な方に結びついてしまう。

更には寝る場所だ。

いつもなら寝ないような場所で休んでいるのだ。

一番みんなから遠い部屋の隅っこで、じっとしているのだ。

 

嫌な予感しかしないが、明日の病院を控えている以上、こちらも寝ないわけにはいかない。

明日の朝、ちゃたろうが無事であることを祈り、眠りについたのだった。

 


side: ちゃたろう
しばらくボクのパートはお休みなのニャ。
主人がどう行動し、決断していくのか、読んで欲しいのニャ。