家族全員で面会に行った。
ちゃたろうからはかろうじて反応がある、といった感じだ。
私たちの顔をきっちりと認識はしているものの、反応するだけの体力も気力も残されていないようだった。
ヨダレは依然として垂れっぱなし。
舌も出しっぱなしの状態になってしまっている。
確実に状況は悪くなってしまっている。
エリザベスカラーを装着し、鼻には食事を流し込むためのチューブが付けられている。
続いて先生からの説明があった。
黄疸(TBIL)の数値が悪化し続けており今日は27.5とのこと。
明日も上がっているようなら危険と言われた。
次は希望のある知らせとなった。
ステロイド治療と超音波検査を実施したところ、胆管のしこりが癌じゃない可能性が高まってきたようだ。
しこりは癌ではなく、胆泥が詰まっているように見えるそうだ。
■胆泥とは
胆嚢内に貯まっている胆汁が、ゼリー状へと泥のように変化している状態
癌じゃないなら手術は可能だ。
そして手術にてこの詰まりを解除することができれば、胆管を流れる胆汁は正常な流れを取り戻す。
胆汁が肝臓に逆流することもなくなるので、現在の危機的な状況を脱し、回復することができると言うのだ。
手術への道のりは以下の通りとなる。
- 輸血
- CT検査
- 手術
貧血が進行しており、CT検査前に輸血を行う必要があるそうだ。
そしてCT検査にて胆管のしこりの正体をほぼ正確に突き止めることができるらしい。
ここで癌と判定されてしまった場合は、前から書いている通り諦めるしかない。
今回の入院は言ってしまえば、延命させつつ胆管に詰まっているしこりの正体を確定させていくことにあった。
いよいよその大詰めというわけだ。
さて、輸血してCT検査して正体を判明させて、とトントン拍子に書いてしまったが、ここで第一関門が待ち構えている。
輸血だ。
猫の輸血が如何に大変であるか、書かせていただきたい。
先ずは血を提供してくれる猫を探すところから始めないといけないのだ。
人間のように血を冷凍保存しておき必要な時に使う……みたいな仕組みは存在しない。
そして血のみを病院に運ぶことも厳密には禁止されている。
血を提供してくれる猫を、輸血を実施する病院まで連れて行かなければならない。
更には血液型の一致や、アレルギー反応など、輸血は難易度がとにかく高く感じた。
病院の方でも輸血の猫を探してみるが、見つからない可能性も考慮し、私のほうでも探してみて欲しいとのことだった。
友人が飼っている猫や、かかりつけの動物病院に相談してみる、などなど。
私はただでさえ友達が少ないというのに、更にその中から猫を飼っている人を見つけて、しかもOKを貰わないといけない……これは現実的に厳しそうだ。
後日、かかりつけの動物病院に相談してみることにした。
今のちゃたろうの状態だが、貧血が進行していて、日に日に血が少なくなってしまっている。
貧血についてはPCVという指標があるのだが、現在は16(基準値は24以上)
ここ数日の減り方を見ると、日に2%落ちている状況だ。
そしてPCVが10を切ると非常にまずい状態となる。
計算上、輸血までの猶予はあと3日となる。
あと3日しかないのに、その輸血の難易度があまりにも高いのだ。
手術が可能であること、改善する可能性が高いことが分かったのは嬉しいものの、現状のちゃたろうは黄疸(TBIL)の数値が上がり続けて、いつ亡くなってもおかしくない状況のなか、更には血が減り続けてこちらが原因で亡くなる可能性もある。
二重の嫌なタイムリミットに縛られている。
希望は見えたものの、手術以前のCT検査までたどり着けない可能性が十分にあるのだ。
あとは運なのかもしれない。
運がタイミング良くやって来なければならない。
■費用について
大体の目安を教えてもらったので、ここに明記しておく。
前回は1日の入院費の目安を伏せてしまった。
読んでくれている皆さんに多少は額を把握しておいたほうが現実感があって良いのではないか、という私の単なる気の変わりようだ。
輸血: 10万円/回
CT検査: 13万円
手術: 60万円前後
【今日のまとめ】
- 面会に行くも元気がない
- 黄疸の数値は悪化し続け、貧血も進行している
- 胆管のしこりの正体が癌じゃない可能性が高まってきた
- 輸血の難易度の高さ
おまけ画像